哲学

"The Philosophy of Applied Mathematics" (Alan Baker)

科学的実在論者でありながら、数学的対象に関するフィクショナリストであるにはどうしたらよいのか。 通常、科学的実在論者は下記のパットナム流 indespensability argument によって数学的対象の実在論にたどり着く 電子などの理論的対象は、自然現象を説明…

"What's wrong with Tonk(?)" (Roy T. Cook)

JPL (2005)34:217-226。 論理結合子Tonkを許す関係論理 Tonk-logic" の論理的帰結関係は決して ad hoc ではない、 結合子Tonkを許すべきかという問うことは、"Tonk-logic" を論理として認めるべきかどうかと問うことである、 と主張。(後で追加します)

"What's wrong with Tonk(?)" (Roy T. Cook)

JPL (2005)34:217-226, こちらから入手可能。 本日話題になった論文。有名なBelnapの "Tonk" は、以下のようなものです。二座の論理結合子 Tonk は、 導入:任意の B について、Aから が導入可能 除去:から B が導出可能 Tonkは、ダメットの論理結合子の導…

最終日

存在論のワークショップと、Hintikkaの講演に出席。 "A proof of nominalism: an exercise in reduction in logic" (Jaakko Hintikka) 最近研究しているらしい論理の話。これは、量化子の付け方が通常の論理と異なっていて、一階のIF(のバージョン)で二階…

五日目

本日はシモンズとパリクの講演および論理分析部会に出席。 "Language, games and social software" (Rohit Parikh) "Criteria of ontological commitment and second order quantification" (Marcus Rossberg) (内容は後で追加します)

ワークショップ「ネオ論理主義」

非常に面白かったです。 "Benacerraf and Bad Company" (Michael Gabbay) ネオ・フレーゲアンにおけるabstraction principleの代表例と言えばヒュームの原理。しかし、その代替品として、算術を十分に展開できる抽象原理はたくさん存在する。この話では、氏…

四日目

本日はライトの講演と、あと数学の哲学部会に出席。 "The Key Problem of KC" (Matteo Plebani) ウィトゲンシュタインの数学の哲学の汚点というべき「不完全性定理誤解疑惑」を取り上げ、ウィトゲンシュタインの言明を好意的に解釈する(「実は分かっていた…

三日目

ザルタのネオ論理主義に関する講演と論理的分析関係のセッションに出席。 ザルタは・・・やりたいことは分かったが、そこまでやっておいて「論理主義」を謳うことが許されるのだろうか。

二日目

数学の哲学関係のセッションに出席。

初日

真理論関係のセッションに出席。面白かった発表は以下の通り。 Can we despense with Modal Predicates? (Volker Halbach) Interpretability relations of weak theories of truth (Martin Fischer) 古典論理上、PAに全域的な真理述語を付け加えると、嘘つき…

"Frege's Logic" (Danielle Macbeth)

どうでもいい話なんですが。この本、先週Amazonから届いたのですが、本日、なぜかもう一冊届きました。間違えて二冊注文してしまったらしい。

ワークショップ「様相論理の『意味論』再考――クリプキ意味論を超えて――」

この話、2-3日前にすでに発表になっていたのですが、今日h師から聞いてやっと気がつきました。 三ヶ月も先の話ですが、今年秋に福岡大学で開催される科学哲学会の二日目、10月19日(日)の 9:30-11:45 に、お三方のご協力をいただき、ワークショップが開かれ…

"Truth and Proof: The Platonism of Mathematics" (W.W. Tait)

以前 Ak 君から薦められた論文。長らくツンドク状態だったが、今度の国際会議の要旨の書き直しに参考になるかと思い、読み始めてみた。いや、非常に面白い論文で、もっと早く読むべきだったと反省しています。唯一の問題は、国際会議の発表の参考にはまった…

「なぜ意味論は「プロセス」を含むか -表示意味論/領域理論をめぐって」(岡本賢吾)

科学哲学40-2(2007) pp.23-39. 計算機科学で使われる表示意味論と、特に領域意味論に注目し、領域意味論の有限データ性とブラウワーの連続性概念が似ていることを指摘した後、領域意味論もある意味で生成的/プロセス的といえる観点から数学的構造を再構成し…

「F. W. ローヴェアによる随伴関手を用いた集合論の基礎の理解とその展望」(深山洋平)

北海道大学哲学会研究発表会(2005年)、ファイルはこちらから入手可能。 圏論は数学的に強力な道具であり、例えばまったくの別物と思われて来た高階論理とZFC集合論など異なる理論の間の共通の数学的構造をあぶり出し、定式化するのに非常に適しています。…

"The comprehension principle and arithmetic in fuzzy logic'"

朝、メールチェックをすると オーストリア・ルートヴィヒ=ウィトゲンシュタイン協会 (ALWS) からメールが来ていました。国際会議 31st International Wittgenstein Symposium に論文がacceptされたそうです。オレって、まるで哲学者みたいだ。 内容は、ファ…

"The Problem of Mathematical Objects" (Bob Hale) (2)暫定版

先週月曜日の講演会の内容紹介。当エントリーは、まだまだ暫定版で、これから修正が必要です。内容について、ご意見/誤解のご指摘をいただければ幸いです。 (1)数学の論理的基礎(logical foundation) v.s. 認識論的基礎(epistemological foundation) 数学の…

"The Problem of Mathematical Objects" (Bob Hale) (1)

@京都大学文学部。座長は Graham Priest、講演者は Bob Hale という超豪華メンバーの講演会。要旨は以下の通り(参考のために転載いたします、問題がある場合はご連絡ください)。 In seeking a foundation for mathematics, one may be looking for a sing…

「フレーゲ『算術の基礎』の無矛盾性」(ジョージ・ブーロス)

3月2日読了の論文の内容紹介。書いたのは本日なので、本日付けに移動します。「フレーゲ哲学の最新像」(勁草書房)所収。 内容の紹介 フレーゲの「算術の基礎」の整合的な部分を取り出す フレーゲの「算術の基本法則」では自然数を明示的に定義する際に外延…

「フレーゲ『算術の基礎』の無矛盾性」(ジョージ・ブーロス)

内容紹介は3月8日のエントリーで。

「フレーゲの数の理論」(チャールズ・パーソンズ)

「プラトニズムは認識論的に破綻しているか?」(ボブ・ヘイル)

「フレーゲ哲学の最新像」(勁草書房)所収、行きの機内で読了。おすすめです、っていうかまだ読んでいなかったことがとても恥ずかしい基本論文です。 背景説明:ネオ・フレーゲ主義 自然数を構成をする際に、フレーゲは集合(概念の外延)を使用しました。 …

"Mathematical Thought and Its Objects" (Charles Parsons)

Logic Matters経由。まさしく "Charles Parsons' long awaited book"であり、"Obviously going to be a must-read" でもある本 "Mathematical Thought and Its Objects"が発売されました。Mathematical Thought and its Objects作者: Charles Parsons出版社/…

"Must we believe in set theory?" (George Boolos)

"Logic, Logic, and Logic" p.120-132. 私の今年の個人的な目標は「Boolosを読み直す」ということで、その一環として。 哲学の論文とは思えない平易な英文で、読んでいて飽きません。専門用語も(集合論関係以外)あまり出てきませんし。しかし結論は過激で…

「クラスの概念と部分ー全体関係」(戸田山和久)

名古屋大学教養部紀要 A (人文科学・社会科学)第37号(平成5年1月)p.1-27. デヴィッド・ルイスの、集合論をメレオロジーの特殊な形として分析しようという "Parts and classes" の主張を分析する。K氏経由でもらったS氏のこの問題を扱った論文がとても面…

"Structuralism and the Concept of Set" (Charles Parsons)

Modality, Morality, and Belief: Essays in Honor of Ruth Barcan Marcus (Cambridge Univ. Press) pp.74-91。全文がgoogleブック検索 (ここ)で入手可能。便利な時代になったものだ。 背景説明:構造主義の弱点としての集合論 数学的対象とは何で、どうい…

「デイヴィッド・ルイスの謎の論証」続報

先日ご紹介した、「反事実的条件法」におけるデヴィッド・ルイスの謎の論証の件ですが、"On the Plurality of Worlds" にそのことに関する本人のコメントが出ている、との情報をK氏から聞きつけ、読んでみました。 ルイスの論証 ルイスは、可能世界を「実在…

デイヴィッド・ルイスの謎の論証

以前、某大学の勉強会で話題となり、その後K氏が我々の読書会でも紹介してくれた話で、先日の忘年会の際に話題になったのですが。一応不完全性定理つながりということで、ご紹介いたします。 様相に可能世界以外の解釈はありうるのか デイヴィッド・ルイスの…

翻訳可能関係が推移的にならない例?

言語L1, L2, L3 があり、L1-> L2 と L2-> L3 の間が翻訳可能であっても、L1 -> L3 の間の翻訳が不可能な例を考えよう、という話。以下の例は、今年の前半、読書会のときに思いついた(本当に思いつきなんですが)。IG氏の原稿を読んでいる際にふと思い出した…

ワークショップ「双対性から論理と計算を捉え直す―領域理論から量子計算、相互作用の幾何まで」

日本科学哲学会大会の二日目(11月11日(日))に、上記ワークショップにおいて、堤題者の一人として、「包括原理と超準的自然数」という題で発表をすることになりました。会場は中央大学多摩キャンパス、15:00-17:15の予定です。要旨のさわりは 古典論理を…