logic

「逻辑学研究」(Studies in Logic)

中国・中山大学発行の論文誌、2008年6月付けで創刊。第一巻第一号をご送付いただきました。ありがとうございます。雑誌の website はこちらです。創刊号の目次は以下の通り。 Merging Observation and Access in Dynamic Epistemic Logic (Johan van Benthem…

"There are non-circular paradoxes (but Yablo's isn't one of them!)" (Roy T. Cook)

The Monist, vol.89, no.1, pp.118-149 (2006). 古典論理で矛盾を導くパラドックスの典型例と言えば、嘘つきのパラドックスでしょう。このパラドックスでは「文L = 『Lはウソである』」というように、循環性によって矛盾を導きます。この印象があまりに強い…

"Combinators and classes" (Dana Scott)

Lecture Notes in Computer Science Vol. 37(1975) pp.1-26. こちらから入手可能。 λ計算は、Y-combinatorなどのせいで、古典論理上で単純に形式化しようとすると矛盾を導くことが知られている。また、λ項は包括原理と性質が似ている。この論文では、包括原…

ワークショップ「様相論理の『意味論』再考 -クリプキ意味論を超えて-」

というわけでワークショップです。要旨は以下の通り。 疑問:なぜ、様相について語る哲学者の多くが、クリプキ意味論のみを使用し、可能世界について語るのか 可能世界の存在にコミットしないで、様相性について語る方法はあるのか? どのようなケースで非ク…

科学哲学会・論理学系セッション(10:00-12:00)

「順序数を用いないカット消去定理の証明について」(秋吉亮太氏) 非可述的な体系 のカット除去を、証明論的順序数を使用しないで行う、と言う話。可述的な体系のカット消去は理解が容易だが、非可述的な体系の場合は証明論的順序数の順序関係が複雑になる…

"What's wrong with Tonk(?)" (Roy T. Cook)

JPL (2005)34:217-226。 論理結合子Tonkを許す関係論理 Tonk-logic" の論理的帰結関係は決して ad hoc ではない、 結合子Tonkを許すべきかという問うことは、"Tonk-logic" を論理として認めるべきかどうかと問うことである、 と主張。(後で追加します)

"What's wrong with Tonk(?)" (Roy T. Cook)

JPL (2005)34:217-226, こちらから入手可能。 本日話題になった論文。有名なBelnapの "Tonk" は、以下のようなものです。二座の論理結合子 Tonk は、 導入:任意の B について、Aから が導入可能 除去:から B が導出可能 Tonkは、ダメットの論理結合子の導…

最終日

Godo氏の話は、認識論的立場から文のmeasureを導入し、そのmeasureからファジイ論理を導入する、という路線の概説。Halpernなどと近い立場か。measureはprobabilityやbelief のdegreeと近いものとされる。しかし、国によって、ファジイ論理の意義付けの方法…

「円卓会議」

恒例 "round table"、要はパネル・ディスカッション。議題はファジイ論理研究とその応用(哲学的/自然言語理解的/工学的)の価値について。 N氏:「哲学者はみんな聞く耳持たない!!」 会場から:「アナタの態度は、アナタのいうところの哲学者の態度その…

三日目

Fermuller氏の話は、"challenge of semantics"会議でやっとのと同じく、ファジイ論理をいわゆるintended model(真理値が[0,1]のモデル)以外のモデルを使って解釈することで、その哲学的・認識論的応用を広げようという話。具体的には、ゲーム意味論の使用…

二日目

Agzzoli氏の話はBL-algebraを拡張し、[0,n+1][0,1]のpiecewise-linear functions with integer coefficent mappingのクラスによって生成される n-BL algebraの話。CG(Mathematica?)を駆使した多くの図が楽しかったです。 Vetterlein氏の話は、ウイーン医科…

初日

最初の講演はHajek氏。fuzzy論理研究の現段階の概観。 それからチェコ・グループ第二段としてBehounek氏の話、ゲーデル論理上の集合論。竹内-地谷のFZFの部分体系で、equality relationはprimitiveとして最初から与えられ、fuzzy relationとして規定されてい…

LATD 1st. オープニング

本会議は、実は、ホストのF.M.氏の60才の記念にあたるとか。おめでとうございます。

"Strong normalization of second order symmetric Lambda-mu calculus" (Yoriyuki Yamagata)

16時から所内セミナー、Yg氏が発表、内容は前回の続き。

"A sequent calculus for limit computable mathematics" (Stefano Berardi & Yoriyuki Yamagata)

APAL 153 (2008), pp.111-126. 16時から所内セミナー、Yg氏が発表。 古典論理から Exchange rule を除去した論理の無限論理バージョン上の算術の体系 Exch (算術というよりは本質的には-論理)に対して、その-断片に関しての準形式的な断片を与えた。(内容…

"A note on bounded arithmetic"(P. Pudlak)

16時から所内セミナー、Yg氏が発表。bounded arithmeticの階層 について、であることが知られている。ここで、もしであれば、が示せたことになるが、残念ながらそれも証明できないことが知られている(Paris-Wilkee)。では、無矛盾性概念をもう少し制限して…

"Are truth degrees about truth?'"

夜、メールチェックをすると国際会議 ”Logic, Algebra and Truth Degrees (LADP 2008)” 事務局からメールがいていました。要旨がacceptされたそうです。内容は、ファジイ論理の意味の解釈についてで、ファジイ論理の真理値の意味を説明するとされる「真理の…

Martin-Lofの 理論とそのパラドックス

Martin-Lofの1971年の論文では、循環性がその中核を占めています。彼は、この条件があるので、彼の理論は圏論と非常に相性が良い(ご存知のように、圏論では、圏全体は圏をなし、その意味で強い循環性を持ちます)と主張しています。しかし、翌年に、Girard…

G氏語録

G氏と彼の学生とA君を交えてお茶を飲む。 (調整中)

Deep inference

午後の発表は、所長による研究所の紹介と、Alessio Guglielmi氏による "deep inference" の紹介。 "deep inference"は、Girardによる"Gemoetry" から発達した証明論の技法の一つ*1で、「exchange ruleなどの官僚主義的な瑣末にとらわれることなく、contracti…

ゲーデルの System T について

本日始めて知ったこと。ゲーデルの本来の枠組みは(単純型理論を含む公理系であって)induction scheme も含む事。 "Proofs and Types"では単純型理論として紹介され、induction axiom は含んでいません。恥ずかしながら、これしか読んだ事ありませんでした。…

"Against intuitionism: Constructive mathematics is part of classical mathematics" (W. W. Tait)

Journal of Philosophical Logic vol.12 No.5(1983), ファイルはこちらから。Akm君の紹介で3月末に読み始めたこの論文、最近忙しかったので中断を挟んで、やっと本日、帰りの電車の中で読了。 タイトル通り、「構成的数学(もしくは直観主義数学)は古典数学…

"Mass Problem (1)" (S. G. Simpson)

16:50-17:50。講演の要旨とスライドはここより入手可能。 "Mas problem"とは、Medvedevによって始められた一般化された決定問題である。この問題を考えることで、最終的には決定不可能な問題を分類することを目的としている。 通常のTuring degreeでは、で、…

Simpsonのパラドックス

いや、どうでもいい話なんですが。研究会終了後、研究科棟にいたときの話。S氏は松尾芭蕉について英語で読んだらしく、「彼は Matsushima について何か haiku を書いたのか」と質問を受ける。とりあえず「松島や、ああ松島や、松島や」と詠んだと言われてい…

"On an arithmetic in a set theory within fuzzy logic"

2月21日に、Stephen G. Simpson 氏の訪問にあわせて開かれる仙台ロジックセミナーにおいて、発表をすることになりました。内容は昨年夏イギリスで発表した内容の補足です。ご興味のある方はお越し下さい。

"Philosophical Logic" (John Burgess)

Forthcoming from Princeton University Press, Foundations of Twenty-First Century Philosophy Series. 入手可能な近刊予定本シリーズ第二段。皆さんご存知かと思いますが、LogBlog経由。ファイルはこちらからダウンロード可能です。 驚く点として、この…

"Logic for Philosophy" (Ted Sider)

Logic Matters経由、Ted SiderのOxford University Pressから近刊予定の教科書 "Logic for Philosophy" のドラフトがここから入手可能なようです。全284ページ。様相論理関係や同一性の問題とかが詳しそうなので、哲学科の人のための論理への入門には良いか…

"Must we believe in set theory?" (George Boolos)

"Logic, Logic, and Logic" p.120-132. 私の今年の個人的な目標は「Boolosを読み直す」ということで、その一環として。 哲学の論文とは思えない平易な英文で、読んでいて飽きません。専門用語も(集合論関係以外)あまり出てきませんし。しかし結論は過激で…

「デイヴィッド・ルイスの謎の論証」続報

先日ご紹介した、「反事実的条件法」におけるデヴィッド・ルイスの謎の論証の件ですが、"On the Plurality of Worlds" にそのことに関する本人のコメントが出ている、との情報をK氏から聞きつけ、読んでみました。 ルイスの論証 ルイスは、可能世界を「実在…

"The Sorites paradox and fuzzy logic" (Petr Hajek & Vilem Novak)

International Journal of General Systems, Volume 32, Number 4, July 2003 , pp. 373-383(11)、ファイルはこちらから。1月2日に読了。砂山のパラドックスをファジイ論理を使って表現する場合、例えばハゲについてのバージョンでは、通常は 「髪の毛0本の…