読了

「空襲と文学」(W.G.ゼーバルト)

(内容は後で追加します)

「ヨーロッパ戦後史(下)」(トニー・ジャット)

下巻は石油ショックから21世紀まで。東欧の反体制派に関する記述の詳しさ(と、手放しで誉めていない冷静さ)に感銘を受ける。(後で追加します)

「神聖喜劇(2)」(大西巨人)

一月の昼から始まり、逢い引きの回想を挟んで、紀元節の日の外出まで。226事件とかゆで卵とか人権の歴史とかヨッフェ自殺とかに関し、和漢/西洋の文を引きながらの長広舌。必要不可欠な効果を持つのは分かるが、しかしもうちょっと話をさっさと進めてくれな…

「ナ・バ・テア」(森博嗣)

映画の印象が強かったせいか、主人公に関する叙述トリックにやられた。

「学歴・階級・軍隊」(高田里恵子)

「フロスト気質(上)(下)」(R.D.ウィングフィールド)

エピソードのそれぞれはドラマで見たので知っていたが、ドラマ数本分を二冊に詰め込むとさすがに強烈。 あまり関係がないが、フロスト警部が深夜、警察署内で「他人の『未決』のトレイを覗き込んでデントン警察署内の最新の動向を探っている」(p.298)という…

「決定的瞬間」(バーバラ・タックマン)

第一次大戦で、アメリカの参戦において大きな役割を果たしたツィンメルマン電報事件の詳細。しかし、ツィンメルマンはなんで電報がドイツ政府が出したものだと認めてしまったんだろうか。謎だ。

「楽園の日々」(アーサー・C・クラーク)

ハードSFの神様ことアーサー・C・クラークの回想録、というか、自慢話。ビミョーな本。素直に「アスタウンディング」誌の思い出のみを書いていればそれだけで面白いのに。

「なぜ意味論は「プロセス」を含むか -表示意味論/領域理論をめぐって」(岡本賢吾)

科学哲学40-2(2007) pp.23-39. 計算機科学で使われる表示意味論と、特に領域意味論に注目し、領域意味論の有限データ性とブラウワーの連続性概念が似ていることを指摘した後、領域意味論もある意味で生成的/プロセス的といえる観点から数学的構造を再構成し…

「F. W. ローヴェアによる随伴関手を用いた集合論の基礎の理解とその展望」(深山洋平)

北海道大学哲学会研究発表会(2005年)、ファイルはこちらから入手可能。 圏論は数学的に強力な道具であり、例えばまったくの別物と思われて来た高階論理とZFC集合論など異なる理論の間の共通の数学的構造をあぶり出し、定式化するのに非常に適しています。…

「ハンガリー革命1956」(ヴィクター・セベスチェン)

これは、旧ソ連で公開された新資料によって詳しく描かれた、1956年のハンガリー革命(動乱)についての本ですが、いろいろ驚く箇所がありました。 ハンガリー革命において、例えばナジ首相が処刑されたというのは有名な話ですが、実際にはナジ首相ってどんな…

"Against intuitionism: Constructive mathematics is part of classical mathematics" (W. W. Tait)

Journal of Philosophical Logic vol.12 No.5(1983), ファイルはこちらから。Akm君の紹介で3月末に読み始めたこの論文、最近忙しかったので中断を挟んで、やっと本日、帰りの電車の中で読了。 タイトル通り、「構成的数学(もしくは直観主義数学)は古典数学…

「ヨーロッパ戦後史(上)」(トニー・ジャット)

AztecCabal経由。上巻では1945年から1971年までの東西ヨーロッパの戦後史を、政治から文化や音楽まで、広く深く紹介。とにかく面白く、最高です。冷戦終了後に書かれたおかげで東ヨーロッパの内容も詳しく、またつい最近まで単なる成功物語として書かれてい…

「コペルニクス博士」(ジョン・パンヴィル)

(内容は後で追加します)

「フレーゲ『算術の基礎』の無矛盾性」(ジョージ・ブーロス)

内容紹介は3月8日のエントリーで。

「虎よ、虎よ!」(アルフレッド・ベクスター)

今日の昼に購入した本。SF版「巌窟王」、途中まではジェットコースターのように進んでいき、目が離せないのだが・・・スピリチュアル(笑)なオチに激しく脱力。

「フレーゲの数の理論」(チャールズ・パーソンズ)

「プラトニズムは認識論的に破綻しているか?」(ボブ・ヘイル)

「フレーゲ哲学の最新像」(勁草書房)所収、行きの機内で読了。おすすめです、っていうかまだ読んでいなかったことがとても恥ずかしい基本論文です。 背景説明:ネオ・フレーゲ主義 自然数を構成をする際に、フレーゲは集合(概念の外延)を使用しました。 …

"Must we believe in set theory?" (George Boolos)

"Logic, Logic, and Logic" p.120-132. 私の今年の個人的な目標は「Boolosを読み直す」ということで、その一環として。 哲学の論文とは思えない平易な英文で、読んでいて飽きません。専門用語も(集合論関係以外)あまり出てきませんし。しかし結論は過激で…

"An introduction to the Polymorphic Lambda Calculus" (John C. Reynolds)

citeseerから入手可能。今まで、職場関係の論文はBlogで取り上げなかったのですが、備忘を兼ねてこちらにのせることにしました。といっても、私は計算機科学に関してはド素人なので、あまり有益な情報提供はできないと思います。 この論文、本文が7ページで…

「数学でつまずくのはなぜか」(小島寛之)

講談社現代新書、2008年1月。本日車内で読了。いい本だと思います。「数学に対する愛」を強烈に感じる本で、教育関係者よりも数学科の大学生とかに薦めたいです。 小学校〜高校の数学に関してよく生徒が引っかかる点(負の数のかけ算、幾何の証明、微分など…

「クラスの概念と部分ー全体関係」(戸田山和久)

名古屋大学教養部紀要 A (人文科学・社会科学)第37号(平成5年1月)p.1-27. デヴィッド・ルイスの、集合論をメレオロジーの特殊な形として分析しようという "Parts and classes" の主張を分析する。K氏経由でもらったS氏のこの問題を扱った論文がとても面…

"Structuralism and the Concept of Set" (Charles Parsons)

Modality, Morality, and Belief: Essays in Honor of Ruth Barcan Marcus (Cambridge Univ. Press) pp.74-91。全文がgoogleブック検索 (ここ)で入手可能。便利な時代になったものだ。 背景説明:構造主義の弱点としての集合論 数学的対象とは何で、どうい…

"The Sorites paradox and fuzzy logic" (Petr Hajek & Vilem Novak)

International Journal of General Systems, Volume 32, Number 4, July 2003 , pp. 373-383(11)、ファイルはこちらから。1月2日に読了。砂山のパラドックスをファジイ論理を使って表現する場合、例えばハゲについてのバージョンでは、通常は 「髪の毛0本の…

「愚か者死すべし」(原尞)

クリスマス前に買った本、私立探偵沢崎シリーズの新シリーズ第一作(2004年)。今回も面白かったです。変わらないものがあるっていいですね。錦織警部(警視補に昇進)らも健在。面白いんですけれど、全体的にますますマーロウものに似てきたような気がする。…

 "Curry's Revenge: the costs of non-classical solutions to the paradoxes of self-reference" (Greg Restall)

"The Revenge of the Liar" (ed. JC Beall, Oxford University Press)に掲載予定。論文ファイルはこちらから入手可能。 上の記事でも取り上げましたが、カリーのパラドックスにより、古典論理上では、算術上で全域的な真理述語を仮定するか、もしくは包括原…

「無限論の教室」(野矢茂樹)

帰宅前、駅近くの本屋で購入、電車内で読了。多分いい本だと思うのですが、私は好きになれません。立場的にはウィトゲンシュタイン(とダメット)をほのめかしながら、可能無限→際限なき拡張可能性という路線で、集合論および「実無限」という考え方をシメて…

「ヒストリエ」(岩明均)

昨日夜に1-3巻を読み、今日は昼食時に「ヒストリエ」第4巻を買って、昼休みで読み終わる。帰宅時には本屋で「ヘウレーカ」を買って車内で読む。非常に面白く、これまで読んでいなかったことを後悔したが、それはそれとして、「寄生獣」との共通点か、血は飛…

「走ることについて語るとき僕の語ること」(村上春樹)

月曜日に買った本。ランナーとしても有名な村上春樹による、ジョギング/マラソン/トライアスロン関連の総集編。「不健全な精神は健全な肉体に宿る」とか、以前読んだことがある話が文中散見されるけれど、それもご愛嬌でしょう。 村上氏において、長距離を…

"The Liar Paradox" (Charles Parsons)

"Mathematics in Philosophy" pp.221-251. 新幹線内で読了・・・しかし難しい。もう一回読むことに決定。