「真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜」

2010年5月14日(金)に、慶応大学において、セミナーでお話をさせていただけることになりました。公式HPはこちら

日時:2010年5月14日(金)18:30〜20:00
場所:三田キャンパス東館4階セミナー室
要旨:
本発表では、ファジイ論理の『真理値』の解釈の問題を題材に、真理に関する意味論的な見方と、公理論的な見方が対立する例を紹介する。

ファジイ論理は、『真理値』として[0,1]の実数をとる意味論によって定義され、その真理概念は伝統的に「真理の度合理論」によって説明されてきた。しかし、その『真理値』が何を意味しているかを巡っては、Suzko とDummett による議論以来、論争が続いている。発表者は、この問題に関し、搦め手からアプローチする。すなわち、「真理の度合い」を、ファジイ論理(の一例であるLukasiewicz無限値述語論理)上の公理的真理理論の枠組みでによって定式化し、形式化された度合い理論が(枠組みの真理理論がω-矛盾であることにより)成立しないことを示す。この結果は、公理的真理理論における真理概念は度合理論では説明できないことを示すものであり、[0,1]を真理値ととらえる意味論的な見方に否定的な結果であるといえる。

内容的には、シエナ・チェイコヴィッツァ・京都で発表した内容のまとめ版となります。お暇な方は、ご参加いただければ幸いです。
さて、以下に、本筋とは余り関係ないですが、慶応大学の方に書いていただいた私のプロフィールを引用します。

矢田部氏は、公理的集合論の研究により博士号を取得後、現在は産業技術総合研究所にて研究に活躍されておられ、近年では哲学的論理学、特に非古典論理上の集合論および真理理論と、曖昧性の論理的取り扱いを主な研究主題としておられます。さらにソフトウェアの検証技術に関する研究もされています。
今回は、矢田部氏による最新の論理学的成果を背景に、ファジイ論理に関する哲学的立場(真理の度合い説)を吟味するという趣旨で講演していただくことになりました。
参加自由となっておりますので、ぜひふるってご参集ください。

えーと、いざ自分で読み返してみると、私の経歴って本当に怪しげだということを今更のように感じます(汗)。