「多値論理上の集合論の自然なタルスキ意味論の構成について」

科学哲学会での発表要旨。

Lukasiewicz無限値述語論理の上で包括原理(the comprehension principle)を持つ集合論(ここではHと表記する)は、Whiteによって無矛盾性の証明が証明されたが、そのモデルの構成法は証明論的な技法による複雑な扱いにくいものであったため、以降、研究が進められていなかった。
しかし最近、自然なタルスキ意味論を使用して、以下のようなH上の自然数と算術の定義可能性についての結果が得られた。

  1. 自然数上のinduction schemaを仮定すると矛盾を導く(Hajek)。
  2. 自然数の集合ωは必ずnon-standardな自然数を含む」と解釈できる文章が証明可能である(yatabe)。

H上の命題の無矛盾性と独立性を示す上で、自然なタルスキ意味論を柔軟に構成する方法を考え出すことは重要な意味を持つ。
ここでは、Skolem, Fenstad, Changによって研究されていたZFのモデル内部でHの自然なタルスキ意味論を構成しようとする戦略を継承し、強制法によって柔軟に構成する方法を考察する。

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