Logica 2009(初日)

本日は初日、Belnapなど大物の講演もあり。

Ontological proofs of existence and non-existence (Petr Hajek)

算術および数学的ファジイ論理の泰斗ハジェクさんは、一方で、敬虔なクリスチャンでもあり、彼の趣味はオルガン演奏(教会で礼拝時にオルガンを弾いているそうだ)と神の存在論的証明なんだそうだ。と言うわけで、今回は、17世紀の Johann Caramuel von Lobkowicz による「神の非存在の証明」は、様相論理で形式化すると、ゲーデルの神の存在論的証明の dual になる、と言うお話。ちなみに、Caramuel 自身は敬虔なクリスチャンであり、彼は「神の存在は信じるものであり、証明するものではない」ということを示すために証明したそうです。面白い話でしたが、一方で、ハジェクさんがこういう話をすると言うこと自体が驚きでした。

Categoricity and non-classical logics (Ole Hjortland)

St. Andrewsの若手のホープ、Hjortland氏による講演、Carnapによる論理のcategoricityの問題について、シンタックスと意味論は代数的にガロア・チューキー接続になるため問題がないという議論を紹介。その後、列計算を持たない多値論理に関しても、超列計算(hypersequent calculus)を使って定式化すれば、同じ枠組みで証明論的意味論を与えられるだろう、と主張した。
終了後、ちょっと聞いてみました。

  • Q: 超列計算で表現できない、Lukasiewicz無限値述語論理みたいな場合はどうするんですか
  • A: 今後の課題です。というか、述語論理は、全般に(存在量化子に代入するタームを見つけるのが難しいので)証明論的意味論にとって悪夢ですしね。どうしましょうか(笑)。

氏はイケメンで、また氏のBlogの Nothing of Consequenceはお薦めです。私は氏のBlogで Stephen Readの古典論理上のハーモニーに関する論文を知りました。