「動物からの倫理学入門」(伊勢田哲治)

「動物をダシにした倫理学入門」というタイトルの方が相応しそうな、倫理学全般に関する教科書。文章は読みやすく、面白かったです。倫理学に関する主要な学説やアプローチをまず紹介→その立場から動物の権利などを認めるべきか論じる、と言うやりかた。現代で倫理学を学ぶためには、EUの法規制もカントも社会生物学厚生経済学も知らなければならない、大変なのだ、と言うことがよく分かりました。この教科書は、その点をストレートに反映しているため、学生が読むのは結構きついのではないかと想像したりもします。
ところで、Cに少し見せたところ、その後、例えば虫を殺そうとしたら「伊勢田先生だったら虫の権利を認めるか」とか毎回のように言い出すようになりました。どうすればいいのでしょうか。