ラッセルのパラドックス:傾向と対策 (3) : Restriction of logic

ラッセル・パラドックスの解決法といえばZFが有名ですが、他にもいろいろな解決法が提案されています。それらあまり有名でない解決法を紹介しようというこのシリーズ、読者置いてきぼりの進み方で、どれだけの方に読んでいただけるのか非常に不安ですが、やっと今回で3回目を迎えました。今回はフェファマンの分類でいうところの"Restriction of logic"、つまり、包括原理を維持し、言語もそのまま(type-freeのまま、構文論への制限なし)で、古典論理を修正することで矛盾を防ぐやり方をご紹介いたします。
さて、一言で「古典論理を修正する」といっても、いろいろなやり方があります。

  • 古典論理を制限する:
    • 部分構造論理を使う(証明論的アプローチ)
    • 多値論理を使う(意味論的アプローチ)
      • クリーネ3値論理:フェファマン
      • ウカシェーヴィチ無限値述語論理:スコーレム・ホワイト*1
      • いわゆるファジイ論理(L∀):ハジェク
  • 古典論理を拡張する(様相論理を使う):クライチェック
  • その他(「内包的同値関係」を導入する):フェファマン&アクゼル

他にもあると思いますので、ご存知の方はご一報ください。
さて、これだけの数をいっぺんに紹介するのは無理ですので、今回はとりあえず、古典論理を制限する、ラッセル・パラドックスへの証明論的アプローチのさわりを紹介します。

*1:Moh Shaw-Kweiのパラドックスより、ウカシェーヴィチ3値論理で包括原理を仮定すると矛盾が導出され、無矛盾にするためには、無限値論理を採用しなければならない。