Logica 2009 (最終日)

最終日は午前中のみ。

"The liar meets McTaggart: paradox and indexical fallacy" (Martin Pleitz)

チェコの哲学者のTichyを引用しつつ、時間の非存在に関するマクタガートパラドックスは、指示子(indexical)の乱用によるものであり、その点で嘘つきパラドックスと同じだと主張。
で、会場から「嘘つきパラドックスは、ゲーデル数化を使えば指示子を使わずに定式化できますが」という指摘には「その質問には来年お答えいたします」。ひでー。

”Logics and Stories"(Andreas Pietz)

Graham Priestの謎の論文"Sylvan's box" の紹介。すなわち、「非古典論理のための寓話」の考察。会場大受けでした。
ちなみにPietz氏は将棋が大好きで、日本将棋連盟の招待で天童市を訪問したことがあるそうで、日本語も多少話します。

ちなみに Sylbvan's box とは、

以下のような寓話です。

プリーストとグリフィンがシルヴァンの家に行ったとき、「矛盾した対象(inconsistent object)」と書かれた段ボール箱を見つけた。開けてみると、その段ボール箱は、中が空っぽであり、かつ満杯であった(!!)。で、彼らはこの大発見をどうするべきかを相談した結果、グリフィンはこの箱を取り地面に埋めることとし、同時にプリーストは車に積んで街に運び世に矛盾した対象の存在を持ち込むこととした。

この話の後、Priestは聴衆に問うわけです:

  • この話はオーストラリアで起こった話か? …Yes.
  • この話は日本で起こった話か? …No.

Pietz氏は、この後、この話のあり得るエンディングをいくつか考察していました。