「上海時代」(上)(松本重治)

松方正義の甥、エール大学などに留学後東大法学部の助手を経て「大物国際ジャーナリスト」になった著者の、聯合通信社上海支局長時代の回想録。満州事変と日中戦争の間の上海で、政財界の大物達とひたすらメシを食べる。中国国民党指導部の良識派の勇気に心打たれ、有吉大使の勇気に感激し、陸軍の策動に憂慮し、外務省の腰砕けに失望する。
いろいろと面白い本なのですが、当時は「国際ジャーナリスト」って優雅な商売だったんですね。その点も感心しました。