「ガストン・ガリマール -フランス出版の半世紀」(ピエール・アスリーヌ)

みすず書房・1986年。先週末に大学図書館で借りてきた本。雑誌NRFを擁するガリマール書店の創業者の伝記。ガリマールは高校ではプルーストの後輩、伝記にはマルタン・デュ・ガールやジイドから始まってサルトルカミュまで錚錚たるメンバーが登場。
著者自身が「本書では歴史的な客観性ではなく知的誠実さを目指した」と書いているだけあって、確かにおもしろおかしく書かれているけれど、客観性は疑問だ。ドリュ・ラ・ロシェルとドイツ軍占領下でのナチスへの協力の問題は、ほのめかすだけでなく、もう少しつっこんで欲しい。