「ヨーロッパに架ける橋」(上)(ティモシー・ガートン・アッシュ)

旧西ドイツと東ドイツの間の「独独関係」について、

「独独関係」の知的特徴は、逆説的な言い回しが頻出することにある…。二つで一つの「共同体としての責任」。現状打破のための現状の肯定。体制の締め付け緩和を目的とした体制の強化。ドイツ統一を達成する唯一の手段としての統一の要求放棄。そして対東独政策の立案者は、ことによると、究極の逆説の恩恵を受けていたのかもしれない。すなわち、解答をまちがえたことによって正解が得られたという皮肉な逆説である。(p.248)

(内容は後で追加します)