「京都・数学の哲学研究集会」

参加者は12-4人程度。local committee のみなさん、講演者の皆様、またご参加のみなさん、ありがとうございました。今後とも、四半期に一回と言うペースで開催したいと希望しております(次回は7-8月?)。
あまり関係ないですが、実はこの研究会は日本哲学会の裏番組になっていたことに今日まで気がつきませんでした。

久木田水生(京都大学)「数学における非モデル論的実在論

「数学がリアルである」というときの"real"の意味は、『腕立て伏せ100回やってね!』『really?』のrealの用法に(どちらかというと)近い」。

稲岡大志(神戸大学)「二つの形式化から見る幾何学の構成と証明」

ユークリッドの原論は、「図形を使った推論」なのか、それとも「不完全な、文のみによる推論」(こちらが伝統的な立場)なのか。

大西琢朗(京都大学):「基本論理と反映原理」

非常に面白かったです。Sambinのやり方は、循環のように見えるが循環ではない、という話。しかし、「原始命題についてカットとidentityを仮定して定義方程式を解き、論理結合子の導入・除去ルールを定める」→「そのルールが全ての論理式について成立すると仮定して、カットとidentityが除去できることを示す」訳で、最初からダイレクトな循環のようにも見えないのでは。

岡本賢吾(首都大学東京): 「シークエント概念について」

dual intuitionistic logic(DIL: →の代わりに\ but notがある)について(竹内氏との共同研究)。DIL内部に直観主義論理流のimplication的な記号を加え拡張する。DILは「反証の論理」、直観主義論理は「証明の論理」、そして古典論理は「DILと直観主義論理の混じったもの」。

竹内泉(産総研):「様相論理による通信の安全性の記述」

Dining Cryptgrapher Protocolを知識様相論理で解く。「知らないと言うことを証明するためにはどの程度前提を増やせばよいのか」というS先生の質問とそれに続き議論が有益でした。

吉田聡京都大学):「構成的数学教育について」

ソフトウェア工学の教育に構成的数学が有益なのでは、と主張。