「C. Wright, "Further reflections on the sorites paradox"」坂間 毅

『哲学研究論集』第2号, 2005, pp. 101-114.
一言「お疲れ様でした」という感じ。Wrightのあのわけのわからない英語を、よくまぁここまでまとめたものだ、と感心する。参考にさせて頂きます。
ついでに、あまり関係ないけれど、ダメットの"Wang's paradox"について、脚注で「ダメットが彼の論文で論敵としているのは数学の哲学における厳格な有限主義であり」といっているけれど、私にとっては厳格な有限主義についての話は、この論文の中において「つかみ」程度の役割しか果たしていないように思えるのですが。少なくとも後半部の曖昧述語に関する色見本の例に関する議論は、それが厳格な有限主義とどのような関係があろうが、独立した曖昧述語に関する議論としても読めると思います。はい。
あとこの論文は、曖昧さをoperatorとして扱う立場の代表例の一つでもあるので、その辺に関する言及がほしいところです。