"Mathematical Logic and Its Applications"

某ホテルにて、14:00-17:00。

Paradoxes of Infinity, paradoxes of sets (Philip Welch)

ザックリとした話、時間をかけて対角線論法の解説をしていたのに、いつの間にか welch-woodinらの結果の解説をサラッと流していて慌てた。

The set-theoretical multiverse (Joel David Hamkins)

The modal logic of forcingなどの結果の紹介。

  1. ZFC集合論universeでは、全数学(の多くの部分)を展開できる。その意味で数学の基礎と言える。かくして、数学的対象に関して実在論を採る場合、集合論の宇宙が一つ存在すると考えるのが伝統だ。
  2. でも、考えてみると、集合論のもっとも輝かしい道具である、強制法と初等的埋め込みの理論は、共に、宇宙そのものを変化させ、新しい宇宙を作り出す技法である。上記の「一つの宇宙」実在論は、こういう技法を無視している。
  3. というわけで、一つの宇宙 "Universe" が存在するのではなく、たくさんの宇宙からなる一つの「多宇宙 "multiverse"」が存在する、と考えた方がよいのではないか。その場合、強制法と初等的埋め込みは共に宇宙の間の到達可能関係と見なせるだろう。というわけで、multiverseは自然な意味でクリプキ意味論を形作っていると考えられる。
  4. では、強制法をクリプキ意味論の到達可能性関係と見なした際、そのクリプキ意味論が形作る様相概念はどう言う種類のものとなるのか?Hamkin-Loweらの結果は「ちょうど S4.2 」である、というものであった。スゲエ。
  5. この枠組みでは、通常ある宇宙の内部で定義されると考えられる内部モデルすら、その宇宙の『外部』に存在するものと見なされる。そして、一つの宇宙から強制法などによって新しい宇宙が構成されるのとは見なさず、各宇宙は既に存在していて、強制法は、既に存在している各宇宙観の到達可能性関係を発掘するものである、と考えられる(「考古学としての強制法」)。
  6. それでは、この枠組みで、何らかの「原初の」宇宙 "ancient paradise" が存在し、他の宇宙はそこから派生的に強制法などにより定義されたと見なされうるのか。Hamkinsらの結果は「任意のZFCの宇宙が『原初パラダイス』だと見なせる」。つまり、逆に言えば、どの宇宙もどの宇宙から到達可能である、ということになる。

Hamkinsさんは、彼が日本にいた頃、いろいろお話を伺う機会がありましたが、とにかく話がうまい。おもしろおかしく中心的なアイディアを伝える能力は天下一品です。個人的には、「基礎」という言葉はもっといろいろな含意を持つのではないかとか、いろいろ思うところもありますが、しかし、とにかく刺激的な話でした。

How the world is modeled in channel theory (Atsushi Shimojima)

channel theoryの解説、「メロンのへたの色を見れば熟し具合が分かる」を形式化するためには、部分全体関係なども必然的に考慮に入れなければならなくなる。最終的には、指示関係や因果関係もinfomorphismであり、言語の意味を一般的に考えるにはこういう枠組みが不可欠であろう、というのがchannel theory らのmotivationだ、ということらしい(質疑応答の箇所だったので、曖昧な理解しかできていません、ご注意を)。

(内容は後で追加します)