"Mathematics without foundations" (Hilary Putnam) (1)

Journal of Philosophy, vol. 64, p.5-22. 1967.
18時半より22時まで。参加者4人、p.5よりp.10第二段落まで。饒舌なパットナムの論文を輪読で読むのは無理があるのか、訳に苦労した割には内容がない。面白いところは次回に持ち越し。
p.9で、 "Mathematics as Modal Logic" といっているが、ここでは数学的対象に関するコミットメントなしの、Syntax としての様相論理*1のことを考えているように思える。この論文は、Kripke frame による様相論理のモデル論的ブレークスルーの4年後に発行されているのに。Kripke frameの開発のおかげで様相論理が市民権を得たが、一方で Kripke frame なしに純粋にSyntaxとしての様相論理の話をするのがまだ許されていた時代(もし Kripke frame を使用して数学的存在者を考えるならば、可能的存在者の存在論にコミットすることになり、話は余計にややこしくなる)、この論文はそういう絶妙な時期に発表されたからこそ影響力があったのかもしれない。
あと、読書会中、「メタ理論は何か」と盛んに喚き立てて、議事進行を遅らせたことを深く陳謝いたします、はい。

*1:具体的には、□P が「Pが証明可能」を表す Lob の証明可能性論理とか