「魔笛」(ケネス・ブラナー)

1910年代後半、夜の女王率いる青軍とザラストロ率いる赤軍は果てしない塹壕戦に明け暮れていた。青軍の青年将校のタミーノは、夜の女王の命を受けた3人の看護婦によって毒ガスから救われ、毒ガス探知のためのカナリア飼育係の一兵卒パパゲーノと共に、赤軍司令部に潜入して誘拐された女王の娘パミーナを奪還するように密命を受ける。クリスマス休戦のどさくさに紛れて赤国に潜入するも、そこは全人種が平等に「光」のために戦う労働者の祖国であり、「邪悪な」ザラストロは人民の敬慕を集める偉大な指導者であった・・・。最後は、赤軍はタミーノとパミーナを先頭に青軍陣地に突撃し、青軍兵士達は赤軍に対して射撃することを拒否、前線は崩壊して旧体制の残滓こと闇の女王一派は滅び、偉大な指導者ザラストロのもと全世界は「光」によって解放されたのであった・・・って、「魔笛」ってこんな話だったっけ?
映像はとても素晴らしい。「タイタニック」や「西部戦線異状なし」、キューブリックの「突撃」のパロディもある。夜の女王は戦車に乗って登場し、さらにはスーパーサイヤ人化したりして、いろいろ笑える。音楽は、映画館のドルービーで大音量で聴くモーツアルトは素晴らしいということで、それだけでも行く価値はあります。