カート・ヴォネガット Jr. 死去

D's Blog 経由。NHK BSで放映のマクニール・レーラー・ニュースアワー(アメリPBS)でも報じていた。公式Web Siteには、鳥のいなくなった鳥カゴの絵が。
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ヴォネガットの小説で初めて読んだのが「母なる夜」で、中三の頃。高校受験の会場に図書館で借りた「ガラパゴスの箱船」を持って行ったりしたことを覚えています。高校・大学時代はとても好きでした。孤独感と世界の不条理さ、その他いろいろ。今でも「母なる夜」「タイタンの妖女」「チャンピオンたちの朝食」は大好きです。
今考えると、「スラップスティック」みたいな駄作も多い。大体、大統領選のスローガンで "Lonesome no more" って何のつもりだよ。戯曲「さよならハッピーバースデイ」はひどかった。短編は面白くない。ブラックさと感傷性のバランスを保つのは難しく、「チャンピオンたちの朝食」より後は惰性で書いていたような気がする。一人称の語りはどんどん老人の愚痴っぽく聞こえるようになり、同じような話の繰り返しが目立った。ベトナム反戦の波に乗ってベストセラー作家となったことは、作品のためにも、本人のためにも良いことではなかった。
そういうものだ。
というわけで、冥福をお祈りします。ハイホー。