ついに "Handbook of set theory" 刊行される

私が博士課程に入学して実数の集合論の勉強を始めたのは1997年、そのころ既に「"Handbook of set theory"はずっと前から編集中で、いつ出版されるのか分からない」と言われていた。あまりに出版が遅れているので、一部の草稿のコピーが関係者の間で出回っていて、私も何種類かもらった記憶がある。そのHandbookがやっと出版された模様(asin:1402048432)。タイトルも "Handbook Set Theory into the 21st Century" に変わっているけれど、これは一部著者の原稿が遅れたせいで刊行が遅れに遅れたことに対する編集者の皮肉なんだろうか。
これまで集合論は"forklore"やら未公刊論文やらが山のようにあり、カルフォルニアイスラエルの一部グループの人たちしかそれにアクセスできないという状況だったが、そういう状況も変わりつつあるのだろう。その意味で今回の刊行は一つの時代の終わりを意味するものなのかもしれない。しかし値段が97,508円、総ページ数が2150ページ。すごい分量だ。