新型インフルエンザ騒動(2)

神戸市民として騒動の渦中にいるのだが、一斉休校や自宅待機指示に関し、かなり違和感を感じる。もちろん、新しい病気だから、慎重に対応すべきという意見は理解できる。しかし、多くの人が指摘するように、新型インフルエンザは、(現在のところ)毒性も感染力も冬のインフルエンザと同じであり、冬のインフルエンザに対して一斉休校も自宅待機もしていないのに、新型インフルエンザに対してだけそう対応すると言うのは、「新型」という言葉に踊らされているだけのようにも思える。もちろん監視の目をゆるめるべきではないが、危険性が同じである以上、大阪府の橋下知事が言っていた*1ように、「通常のインフルエンザの対応に切り替える必要があるのではないか」。
また、大学や国の機関における、国際交流に関する制限(海外への出張制限・海外からの受け入れ制限)も、それが「水際撃退」を目指していたのであれば、すでに日本国内に新型インフルエンザが根を下ろした以上、その存在価値を減じることになった。また、毒性も感染力も同等の通常のインフルエンザに関して、それが流行しているから国際会議へ出席を停止しろと指示されることがあるとは考えられない。そのため、合理的に考えれば、海外への渡航制限等も緩和されるべきであろう。
逆説的だが、日本国内でかなりの数の感染者がいることが判明したからこそ、これまでの無意味な「水際撃退」といったお題目を捨て、合理的な対応が求められるのではないか。少なくとも、休校措置や行事の中止は、そろそろ見直すべきだと思う*2。せめて、アメリカ並みの冷静な対応(休校は発病者のいる学校のみ、など)をお願いできないものだろうか。

*1:橋下知事の発言を好意的に取り上げる日が来ようとは…。

*2:もちろん高校生は一週間の臨時休校を喜ぶかもしれないが、彼らは8月になって夏休みが一週間例年より短いことを知って愕然とするだろう。